第1回 店が成功する前提条件
第2回 立地評価 T
第3回 立地評価 U
第4回  売上高予測
第5回 立地選定のプロセス
第6回 既存店再構築 T  (企業収益最大化への道)
第7回 既存店再構築 U(企業収益最大化への道)
第8回 流通業界「勝ち組」の条件
第9回 立地の回帰
第10回 競争力強化
第11回 競争力強化 U

第8回 流通業界「勝ち組」の条件

流通業界は、どの業種・業態もオーバーストアであることには間違いありません。
そんな中で、勝ち組になっている企業を見ると、次のような特徴があります。
スーパーマーケット業界で考えてみます。

消費者のマインドの中に、「生活必需品は1円でも安く」という考え方が定着しています。
このため、ディスカウント型のスーパーマーケットは繁盛しています。一般的なスーパーマーケットの粗利益率は25%前後です。
ディスカウントタイプの店は、粗利益率17%前後です。その差8%あります。

 アメリカのスーパーマーケット業界の歴史を見ると、古くはセーフウエイ、ボンズ、ラッキー
最近ではアルバートソンなどが、優良なSMとして脚光を浴びていました。しかし、ウオルマートが、非食品のDSから、食品を扱うスーパーセンターに参入するや、多くののSMが負け組みになってしまったのです。
  業態の革新は、他業態からの参入から起こることが多いのです。長年、一つの業態を続けていると「守り」に入ってしまい、「革新」がなくなるのです。アメリカのSM業界で常識であった「売場面積」「品揃え」「売価政策」「粗利益率」「経費率」などが、一気に陳腐化してしまいます。

 我が国のSM業界において「ディスカウント」の潮流は変わりそうもありません。ディスカウント型のSMと価格競争することは「自殺行為」に近いといえます。但し、粗利益率、経費率については、もう一度再構築する必要があります。
  イオングループが多数のSMを傘下に収めていますが、イオングループに入る最も大きな利点は「PB商品」にあります。NB商品は価格競争で、利益が得られなくなっています。PB商品は粗利益率が高く、企業の経営にとってメリットが大きいのです。

例えば次のようなことが言えます。

商品群
売上構成比
粗利益率
相乗積
NB商品
70%
15%
10.5%
PB商品
30%
25%
7.5%
100%
-

18.0%

 日配商品、一般食品、菓子、雑貨などで、粗利益率が3ポイント上がります。
粗利益率が確保しにくい現状で、3%の粗利益率アップは非常に大きいのです。
但し、PB商品に対し「信頼」がなければ売れません。イオンのテレビCMを見ると、企業として「安全・安心」「地球環境にやさしい」などの打ち出しが多く見られます。
これは、企業のロイヤリティを上げるのが目的です。その結果、お客様は、イオンを信頼・信用しPB商品も売れるようになるのです。
どの企業でもPBを作れば売れるというものではありません。

 業績の良いSMを見ると、どちらかというと「後発組」のSMが善戦しています。
 これは、先発組みのSMを見て、何を改革すれば繁盛店になるかが分かるからです。
 ディスカウントでは「スーパーセンター」が最強のフォーマットとも言われており、チェーンストアもそのフォーマットの確立に躍起になっています。しかし、多店舗展開できるほど標準化・効率化ができてはいないのが現状です。

  一般のSMが、ディスカウント型と競合した場合の「ヒント」は[安さ]をどう打ち出すかであります。
「安い」と「安さ」は違う。「安い」と「お値打ち」は違うのです。

当たり前ですが、勝ち組に残るには「お客様に支持される」ことを考えるということを忘れないで下さい。

次回は「高品質スーパーマーケット」について考えてみます。