第1回 店が成功する前提条件
第2回 立地評価 T
第3回 立地評価 U
第4回  売上高予測
第5回 立地選定のプロセス
第6回 既存店再構築 T  (企業収益最大化への道)
第7回 既存店再構築 U(企業収益最大化への道)
第8回 流通業界「勝ち組」の条件
第9回 立地の回帰
第10回 競争力強化
第11回 競争力強化 U

第5回 立地選定のプロセス

店舗を出店する際に、どのようなプロセスで出店を決定すればよいか考えてみたいと思います。
新規出店の成否は90%の確率であればよいという考え方があります。
しかし、多額の設備投資をする以上、1店舗の失敗も許されないという考え方を基本にすべきです。
特に、オーバーストアになっている地域への出店は慎重に決定すべきです。

1.

立地評価基準書を作成すること
立地評価において、次のような言葉は厳禁です。

 

・ まあ、いけるだろう
・ やってみなければわからない
・ よさそうな立地だ
・ 競合店が弱そうだ
・ がんばれば売れそうだ

 

出店立地を見に行って、上記のような会話をしている光景を目にします。いずれの言葉も何の根拠もありません。
立地基準書を作成して、客観的な判断をすることが肝要です。
立地基準書の項目は、業種・業態によって異なります。

  「飲食店、コンビニエンスストアなど」
 

・ 視認性
・ 交通量、通行量
・ 道路の賑わい
・ 集客施設の有無
・ イン、アウトのしやすさ
・ 通行者、交通車両の質
・ 昼夜間人口比

  「スーパーマーケット・大型店など」
 

・ 商圏世帯数
・ 商圏の広がり(集めやすさ)
・ アプローチ(近づきやすさ)
・ 競合店の位置と規模
・ 通勤帰りでの利用のしやすさ
・ 商圏分断要因の有無

 


立地基準書の作成は、客観的に判断できるような項目で作成することが重要です。
客観的な判断ができない「立地基準書」は、立地の評価者によって、評価が異なってしまうからです。
立地基準書を作成する場合、既存店をモデルにして、立地評価の訓練をすることがよいでしょう。


2.

売上予測システムを確立すること
新規出店で、売上高が目標値の売上高を下回ることは、赤字店舗を作ることに他ありません。
新規出店の前に、如何に精度の高い「売上高予測」をするかがポイントになります。
売上高予想手法については、前回解説したように「ハフモデル」「重回帰手法」などがあります。

売上高予測に絶対はありません。よくある例ですが、出店後、競合店が改装し、思わぬ苦戦を強いられることがあります。これは、競合店評価を甘く見た結果です。考えてみれば分かることですが、競合店が出店してくれば、当然、何らかの対抗策を打つのは当たり前です。

売上高予測システムを開発することは、それなりの経験と知識は必要です。
外部の専門家と共同で開発することも一考に値します。


3.

客観的な立場の人が評価をすること
店舗開発部の人は、出店物件を見つけてくるのが仕事です。自分が見つけてきた物件に対しては思い入れがあります。また、出店候補地の地主と親しくなれば、情にも流されやすくなります。
出店候補地を見つける人と、評価する人は別にすべきです。

新規出店は、多額の投資が伴うため、意思決定には勇気と決断が必要となります。
そのため、新規出店調査、売上予測等を実施する部門は、社長直轄の部門にすることです。

 

4.

弊社のスーパーマーケットの立地評価基準
弊社のスーパーマーケットの立地評価基準項目は以下の通りです。

商圏世帯数 世帯密度
世帯伸張率
世帯人員
集めやすさ 道路網
中心志向性
地形(商圏分断要因
アプローチ 徒歩
自転車
自動車
競合店
規模
距離
店舗力
将来性 商圏拡大の可能性
世帯の伸び
店舗拡張性
安全性 競合店出店の可能性
固定客確保のしやすさ           

 

以上の他に、新規出店物件の「敷地面積」「間口」「形状」等も評価対象に入る。
上記の基準は一例であるが、自社に合った、「立地評価基準」を作成し、出店物件に対して、客観的な評価をしていただきたいと思います。