第1回 店が成功する前提条件
第2回 立地評価 T
第3回 立地評価 U
第4回  売上高予測
第5回 立地選定のプロセス
第6回 既存店再構築 T  (企業収益最大化への道)
第7回 既存店再構築 U(企業収益最大化への道)
第8回 流通業界「勝ち組」の条件
第9回 立地の回帰
第10回 競争力強化
第11回 競争力強化 U

第3回 立地評価 U

気候も春めいてきました。

前回は、立地の「近づきやすさ」「集めやすさ」について説明しました。
次に「競合店」について考えて見たいと思います。

競合店
 

競合店を考えるときに、まずその地域がどの程度の競争状況にあるかを検討する必要があります。
次の二つの例で考えてみましょう。

 
A立地
B立地
商圏世帯数
10,000世帯
20,000世帯
スーパーの数
3店舗
7店舗
スーパーの売場面積
1500坪
3,700坪
スーパー1坪当り世帯数
6.7世帯
5.4世帯
 

A立地は、スーパーマーケット売場面積1坪当り6.7世帯であり、B立地は5.4世帯です。B立地のほうがより、競争が厳しい状況です。その地域において、スーパーマーケット売場面積1坪当り世帯数が5世帯前後になると、撤退するスーパーが出てきます。撤退しないとしても、ほとんどのスーパーが赤字店舗となります。
出店時において、その地域の競争状況を把握することがまず第一歩となります。

新規出店の時に、競合店の店舗力を評価します。
スーパーマーケットが新規出店で失敗する理由のトップは「立地選定ミス」ですが、次いで多いのが、競合店の店舗力の過小評価です。競合するスーパーも新規のスーパーの出店により「改装」「店舗見直し」等を図り、店舗力を強化してきます。
「既存の競合店は強くなる」ということを前提に考えることが重要です。

 

立地の安全性
 

立地の安全性とは、一次商圏でどれだけの顧客を吸引できるかということです。
最近は、スーパーマーケット、ホームセンターなどとNSCを形成して出店することが多くなりました。しかし、スーパーマーケットのベスト立地とホームセンターのベスト立地は異なります。
その理由は、商圏の広さと買物頻度が異なるからです。
前回説明したように、ホームセンターは、買物頻度が低く、商圏が広いため、足元商圏が希薄であっても成立します。スーパーマーケットの場合、買物頻度の高い業態のため、足元商圏が重要になります。
広域商圏を前提として出店したスーパーマーケットは、将来商圏が縮小する可能性は大きく「安全性」においてリスクが発生します。
安全性を考慮すると、出店予定地の後背地に住宅があることが望ましいといえます。

安全性の高い立地

安全性の低い立地

 

立地の将来性
 

立地の将来性とは次のことをいいます。

・将来の商圏人口の伸び

・商圏拡大の可能性

・店舗の増床が可能か など

店舗の立地条件は、年々変化します。出店当時の立地条件ではなく、将来を見据えた判断が必要です。
人口減少地域より人口増加地域の方が将来性はあることは当たり前です。しかし、人口増加地域は、新規参入も多く、将来の競合店の出店も考慮する必要があります。
競合店の出店を恐れていては、新規出店はできません。そこで「戦える立地」に出店することが重要になります。すなわち競合店が出店しても、優位に戦える立地か否かの判断が必要になります。

商圏拡大の可能性は、将来増床等を実施した場合、商圏が広がるか否かの判断です。
商圏拡大可能性については、「都市計画道路」の確認が必要になります。出店候補地の近くに都市計画道路の計画があれば、将来の商圏拡大も期待できます。

店舗の増床については、時代の流れによって、適正な店舗面積は変化します。現状で一番店であっても5年後にはわかりません。将来の競争に備えて、増床可能な敷地を確保することが肝要となります。

前回、今回と「立地評価」について説明しましたが、立地選定のミスは取り返しがつきません。
立地選定基準を社内で作成し、客観的に判断することをおすすめします。